
七丈 直弘
教授
一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科
一橋大学大学院経営管理研究科
専門分野:イノベーション政策、技術経営、サイエントメトリクス、ソーシャル・データサイエンス
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「良い研究を牽引するのは自由な発想や好奇心だけでなく、社会からそれが求められているんだ、社会を変えてやるんだという、いわば『ミッション』です。」七丈直弘
研究・指導哲学
ミッション駆動型の研究
私たちの研究は、単に新しい分析手法を開発することを目的とするのではありません。イノベーションの促進、国家政策の形成、新技術の社会的影響の理解といった、現実世界の重要課題に応用することを明確な目的としています。
学際的な探求の支援
私の役割は、皆さんが自身の『ミッション』を見つける手助けをすることです。知的挑戦に満ち、かつ社会的に意義のある研究課題を定義するため、緊密に議論を重ねます。共有された目標に基づき明確な方向性を示しますが、その領域のフロンティアを切り拓くのは、皆さん一人ひとりの独自の好奇心と実行力です。
エビデンスに基づく意思決定
データサイエンスの手法を活用し、感覚や直感に頼るのではなく、確かなエビデンスに基づいて研究を進めていきます。これは研究の質を向上させるだけでなく、社会への実装可能性を高めることにも繋がります。
架け橋を築く者の歩み
七丈教授のキャリアパスは、「社会科学とデータサイエンスの融合」を体現する、意図的な探求の旅です。
数学と工学の基盤構築
1999年 博士(工学)取得東京大学理学部数学科で学士号を取得後、同大学院工学系研究科で修士・博士号を取得。1999年に博士(工学)の学位を取得し、強固な定量的基礎と工学的アプローチの土台を築く。
学術界での多様な研究経験
東京大学情報学環准教授、早稲田大学高等研究所准教授東京大学情報学環准教授、早稲田大学高等研究所准教授として、情報学と社会科学の接点で先駆的な研究を展開。学際的研究の基盤を構築。
政策研究への転身
文部科学省科学技術・学術政策研究所上席研究官文部科学省科学技術・学術政策研究所上席研究官として、学術研究と政策立案の橋渡し役を担当。エビデンスに基づく政策形成の専門性を深める。
技術経営研究の展開とSIPリーダーシップ
2016年〜2020年6月 東京工科大学教授2016年より東京工科大学教授に就任(2020年6月まで)。技術経営とイノベーション政策の研究を本格化し、工学と経営学の融合を図る。同時期、SIP第2期マテリアル革命プログラムのC5研究課題リーダーとして、国家プロジェクトの運営と材料科学のデジタル変革を牽引。
政策研究大学院大学での政策研究
2019年3月〜2024年3月 客員研究員・客員教授2019年3月に政策研究大学院大学客員研究員、同年4月より客員教授(2024年3月まで)として、政策研究の専門性をさらに深化。
一橋大学でのソーシャル・データサイエンス構築
2020年7月〜現在2020年7月より一橋大学教授に就任。ソーシャル・データサイエンス研究科の創設における中心的な設計者の一人として、新しい学問分野の未来を形作るリーダーシップを発揮。経営管理研究科との兼任により、学際的研究を推進。
研究と社会へのインパクト
政策形成への直接的貢献
内閣府の政策形成支援システム「e-CSTI」を活用した研究実績や、SIP第2期マテリアル革命プログラムでのC5リーダーとしての経験により、アカデミアの壁を越えて実際の政策決定と国家プロジェクトの運営に直接的な影響を与えています。
学際的研究の先駆者
工学と社会科学を横断する研究により、複合材料の損傷検出から科学技術政策まで、幅広い分野で革新的な成果を創出しています。
新しい学問分野の創造
ソーシャル・データサイエンス分野の理念を最も純粋な形で体現し、データサイエンスと社会科学の融合を推進しています。
学歴・職歴
- 東京大学理学部数学科 学士
- 東京大学大学院工学系研究科 修士・博士
- 1999年 博士(工学)取得
- 東京大学情報学環 准教授
- 早稲田大学高等研究所 准教授
- 文部科学省科学技術・学術政策研究所 上席研究官
- 東京工科大学 教授(2016年〜2020年6月)
- 政策研究大学院大学 客員研究員・客員教授(2019年3月〜2024年3月)
- 一橋大学 教授(2020年7月〜現職)
主な研究テーマ
- エビデンスに基づくイノベーション政策
- 技術経営とスタートアップのダイナミクス
- 新技術の社会実装
- 科学の科学(サイエントメトリクス)
- ソーシャル・データサイエンス理論